こんにちは
三浦綾子さんの『ひつじが丘』を読みました。
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今、読み終わった直後です。叩きのめされたような気持ちです。
過ちを犯さない人間はいない。だからこそ愛することはゆるすこと。永遠の愛のテーマ。
牧師の家に育った奈緒美は高校卒業後、友人・京子の兄、良一から求婚される。
やんちゃな面を持つ良一に奈緒美は惹かれていくが、良一の人間性に不安を感じ取った両親は反対する。一方、奈緒美の高校時代の担任で、良一の女性遍歴を知る竹山もまた、奈緒美への密かな思いを抱くだけに祝福することができなかった。
周囲の声に反発する奈緒美は函館に帰る良一を送りに行き、そのまま結婚生活を始めてしまう。だが、そのわずか数か月後には、良一の冷酷な面を知ることになるのだった。
↑Amazonから引用しました。
奈緒実さん、元々は良一と結婚するかどうかは決めかねていたんです。そこから両親との話し合いの時にムキになって、「わたしだって、人一人くらい愛せる」と家を飛び出して、良一の家に行った。偶然良一が病気になっていて、看病のために留まって、色々あって結婚した。
良一は飲んだくれで、女好きで、DVもする。結婚して1〜2年で、奈緒実さんの同級生と不倫するし、茶碗やら灰皿を投げつけるし。ただの最低な奴じゃん。
だから、良一は嫌いだったんです。
結婚してからしばらく経った頃の良一の心情が書かれていたシーンのがあり、いい感じ(!?)だったのに。でも、灰皿を投げつけおった。確かにそのシーンの直前、奈緒実さん、訪ねて来た竹山さんと逃げようかと一瞬思ってたけど。
その次は良一は、奈緒実の元同級生の輝子と不倫。
偶然そのことを知った奈緒実さん。更に輝子が妊娠したことも知り、実家に戻る。
あ、待てよ、これ。どこまで書くつもりだ?私。
奈緒実さんの実家まで追いかけて来た良一。肺病になり、しばらく奈緒実の実家(牧師家庭)で過ごすことに。
ルオーのキリスト画に感銘を受け、キリストについて考えるようになった良一。
酒も絶ち、奈緒実への態度も改め始めていて……。
それでもまだ疑っていたんですよ、私。
今は妻の両親のところにいるから、「いい夫」を演じているのかなって。
クリスマス・イヴに良一は輝子との関係を断ち切るために、輝子のところに行きました。そして、帰りに亡くなりました。
良一は奈緒実へのクリスマスプレゼント用に絵を描いていました。
良一の死後、奈緒実が絵を見てみると、キリスト画でした。十字架にかけられたキリストの下で、良一がひざまずいている絵。
良一、いつの間にかクリスチャンになってたんだ。
そして、良一は悔い改めていた。神様にも奈緒実にも赦しを請うていた。
神様からは、赦されていた。けど、奈緒実は赦していなかった。
そして、私も赦していなかった。そのことに気付いて、叩きのめされたような気持ちです。
っていうか、小説の登場人物にこういう感情を抱いてる時点で「おいっ」って話だけどな😋
『塩狩峠』に登場する信夫と三堀のことを思い出しました。
おまけ
この小説を知ったきっかけはこちらのサイトからです。
名言の多さが目に止まったので。